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​情報紙 SECOND

SECOND Column Page

priceless? or free?(6)

vol.7

協働の街くるめ

​久留米市民活動サポートセンター みんくる

【priceless(お金では計れない尊い価値がある) と free(無料・無償・タダ)】

「金銭的な利益や報酬を第一の目的としない」というボランティア活動の基本的な考え方は、活動そのものが priceless(お金では計れない尊い価値がある)であることを意味しており、活動を free(無料・無償・タダ)で行うことを奨励しているわけではありません。

【営利 と 非営利】

健全な経営・組織運営のためには、営利・非営利とも、必要経費(固定費・人件費・事業費等)を確保し、利益を上げることが必要不可欠です。営利活動と非営利活動の境界線は「手元に残った利益の取り扱い方(配分する/配分しない)の違い」にあります。

 営利活動では手が出せない社会課題へアプローチできる。これが非営利活動の強みです。「たくさん利益を出して、その利益すべてを社会課題解決のための事業費として、みんなのために使う!」そんな非営利活動団体が増えるよう、そして、それぞれがより健全な利益を上げ、より良い社会的なインパクトを創り出せるよう、久留米市市民活動サポートセンター みんくるは、皆さんをサポートしていきます。

priceless? or free?(5)

vol.6
協働の街くるめ
​久留米市民活動サポートセンター みんくる

「金銭的な利益や報酬を第一の目的とせず」という部分を重視しすぎるあまりに、「プライスレスな価値」を創り出せなくなってしまった。いつしか「プライスレスな価値」と向き合うことを忘れてしまった。「プライスレスな価値」を創り出せていたとしても、そこに関わっている人たちの多くが、その価値や魅力を実感できなくなってしまった。このような状態に陥っているボランティア活動に出会うことがあります。「お金では計ることができないプレイスレスな(尊い)価値」は、その時々、その場所ごと、そこに集う人たちの個性・特徴などで、絶えず変化していくものです。活動に取り組む人たちが同じでも、お互いが成長し合うことでも、年を重ねることでも、「プライスレスな価値」は変わっていきます。20年前の「プライスレスな価値」は、現在の価値と大きく変わっているかもしれません。隣の「プライスレスな価値」を真似しても、自分たちの「プライスレスな価値」になるとは限りません。良い取り組みも、活動の時間帯が違えば「プライスレスな価値」が損なわれてしまうかもしれません。あなたは、自分が関わっている活動に「プライスレスな価値」を感じることができていますか?一度、あなたが想う「プライスレスな価値」をお金で計ってみてはいかかでしょうか?「お金では計らない」・「お金では計ることができない」この2つは、似ているようで「まったく別の何か」だと、お判りいただけるかもしれません。

priceless? or free?(4)

vol.5

協働の街くるめ

​久留米市民活動サポートセンター みんくる

 「ボランティア活動におけるpriceless(プライスレス)な価値・free(フリー)な価値」に対する認識の違いは、その節々に戸惑いや小さな衝突として現れてくることとなります。

 例えば、『ボランティア活動の時間帯』についても、大きな溝があるようです。

 現役世代や共働き世代の場合、自分たちの就業時間内でのボランティア活動、8時から17時までに開催される集まり・会議などの参加は難しいことが多いです。

 自分の仕事を休んで、ボランティア活動に参加することになれば、仕事で得られたばずの「収入・手取り」が減ることにもつながってしまいます。

 また、活動に参加すること自体が、さらなるフリー( free )を強いてくる場合には、より負担感が増してしまい、一段と参加が難しいものになることでしょう。

 現役世代や共働き世代にとって、ボランティア活動の基盤となっているはずの「お金では計れないプライスレスな(尊い)価値」は、仕事で得られたばずの「収入・手取り」と直感的に比較できる価値の一つであり、しかも、深入りすればするほど、より負担感が大きい出来事だと感じてしまうのです。

(次号に続く)

priceless? or free?(3)

vol.4

協働の街くるめ

​久留米市民活動サポートセンター みんくる

 1970年頃は、100万円を貯金すると10年間で200万円になる社会でした。それから半世紀、2000年以降は、100万円を貯金しても10年間で102万円にしかならない社会になりました。

 この社会変化は「ボランティア活動における priceless(プライスレス)な価値・free(フリー)な価値」にも大きな変化をもたらすとともに、それぞれの世代に大きな溝を創ってしまったように思えます。

 現在、様々なボランティア活動団体が「参加者」や「担い手」を探しています。その一方で、多くの現役世代にとって、「金銭的な負担を当然のように強いてくる類のボランティア活動」への参加は難しいものとなっています。

 時に「金銭的な負担軽減」が論点となり、負担金額の大小に話が発展することもありますが、多くの場合、金額の大小は本質的な問題ではありません。

 金額以前に、「priceless(プライスレス)な価値・free(フリー)な価値」へ対する解釈がすれ違っているのです。

 「負担を当然のように強いてくる枠組み = freeを強いてくる枠組み」それ自体に対し、あるいは、その枠組みを是(priceless)とした活動の在り方に対し、あるいは、pricelessとfreeの違いを意識しない組織体質に対し、現役世代は、違和感・戸惑い・恐れ・疑問を抱き、賛同できない状況にあるようです。(次号に続く)

priceless? or free?(2)

vol.3

協働の街くるめ

​久留米市民活動サポートセンター みんくる

 ボランティア活動の根底には「金銭的な利益や報酬を第一の目的とせず、お金では計れない尊い(プライスレス priceless な)価値に基づく取り組みである」という考え方があります。  この考え方は「無償性・無給性」という言葉で表現されることで、いつの間にか「ボランティア=free フリー(無償・無料)での取り組みである」との誤解を広く定着させていくことにつながっていきました。  

 1970年頃、人口増加に伴う経済成長が目覚ましい時代では、「銀行に100万円貯金すると、10年後には200万円位になる」こともありました。「誰もが貯金でお金を増やす」という社会環境は、「まずは貯金」という文化を醸成させるとともに「ボランティア活動=無償・無料での取り組み=自分で手出しが当たり前」という雰囲気を醸成させていく一因にもなったように思えます。事実、誰もが貯金で増やしたお金を「困っている誰かのために活かす」という取り組みは、 priceless(プライスレス)な体験そのものでもありました。

 一方、2000年頃から、それぞれの地域で人口減少・少子高齢化が進むようになります。この頃には、「銀行に100万円を貯金しても、10年後でも102万円程度にしかならない」という状況になりました。(次号に続く)

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顧問弁護士:ことまる法律事務所
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