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​情報紙 SECOND

SECOND Column Page

宮原先生の
むし歯のキモチ vol.40

宮原歯科医院

院長 宮原 猛

 歯や口の悩みは人に打ち明けにくいものですね。歯を失って悩んでいる人はあなたの想像より多いのです。あなたは不幸にも歯を抜いた後にどんな治療を選びますか?ひと昔前であればブリッヂか入れ歯が主でした。最近は選択肢としてインプラント治療が優位になっています。ご存じの方も多いと思いますが、失った歯の代わりにチタンを母体にした人工歯根を顎の骨に埋め込む手術です。自分の歯のようにしっかり噛めると注目を集め、その材質や術式も昔より洗練され、安全性も高いと評価されています。しかし当院はインプラント治療を行っておりません。「なぜその歯を失ったのか?」をまずは大事に考えるからです。突発的な事故で歯が折れたり抜けたりしたのか?長い年月の中、何度も治療を繰り返した末に抜歯になったのか?もし後者であれば、歯がなくなったのは日常の噛み癖や歯ぎしり食いしばりなどの生活習慣の結果。自ら歯を破壊した可能性大です。

 硬い歯は硬い骨の中に植わっています。天然の歯と骨の間には「歯根膜」という柔らかいクッションが存在していて強い力でも歯の負担を軽減しています。しかし、インプラントは硬いチタンが硬い骨に直で接しているのでクッションが効いていません。噛んだ力は歯の表面で受け止め、チタンを介して骨に直接伝わります。あるいは、かみ合わせの相手の歯に強い衝撃を与えます。もともと嚙む力の強い人に、歯よりも硬いインプラントが入ると経年的にどうなるでしょう?人は歳を重ねると身体のあちこちが変化します。ケガや不調で身体のバランスが変わると歯並びやかみ合わせも同様に変化します。着脱可能で作り変えも自由な「入れ歯」は、インプラントより身体にやさしい治療法だと私は思います。

 入れ歯という表現はどうしても「老い・衰え」をイメージさせるものです。しかし、眼鏡や補聴器、杖、歩行器など、生まれながらに身体機能が弱く若くして使っている方も多いことを考えれば、入れ歯だって決してお年寄りだけが使うものではありません。若い格闘家で前歯がなく入れ歯を使用する人も多いと聞きます。つまり、入れ歯は身体の機能を都合よく補ってくれる道具の一種なのです。やはりここは「義歯」と表現したいものです。当院では、目立たないオリジナル義歯の装着が即日に可能です。受診をお悩みの方は、お話会でもっといろんなお話をいたしますのでお問合せください。

 

 

※今月のお話会は医院にて11/27(水)(出張依頼もお受けします)

宮原先生の
むし歯のキモチ vol.39

宮原歯科医院

院長 宮原 猛

 こんにちは、宮原歯科医院です。当院は100%自由診療のため、訪れる患者さんのご希望も実に様々です。その中でもよく出会うのが「銀歯をはずしてセラミックに替えてほしい」というご希望です。みなさんご存じのように、世の中はノンメタル治療といって金属のむし歯治療を好まない流れになっています。また、その代わりに保険の利かないセラミックがいいという流れもあります。ただ当院は、自由診療をやっているからセラミックを押しているかというとそういうわけではありません。

 歯の表面はエナメル質という硬い組織で覆われています。人間の体の中で最も硬い組織として知られています。その組成の大半(96%近く)がカルシウムをはじめとするミネラルです。またそのミネラルの大半は金属元素です。そういうこともあってか、歯を修復するのに金属を使ってきた歴史があります。あるいは白くて硬いセラミックがさらにワンランク上という位置づけになってきました。しかし私が重要視しているのは96%の硬さよりも、残り4%の柔らかさの方です。わずかではありますが、体で最も硬いながらにわずかに弾力を持っているという点です。硬いものがしっかり噛める一方で衝撃を吸収してくれているのです。鉄筋家屋を補修するには鉄筋コンクリート。木造建築を補修するには、やはり木材が適しているはずです。強い地震や台風が多い地域なのか?地盤は緩いのか?寒暖の差や湿度、潮風の影響はあるのか?などその立地状況によっても建材選びは変わってくるはずです。歯を補修するのであれば、どういう噛み癖や食習慣や身体のバランスを持った患者さんで、補修すべき歯はその人の前歯なのか?右上奥歯なのか?左下犬歯なのか?といったことを考慮しなければ患者さんの身体に適応できないと考えています。

 深刻な金属アレルギーをお持ちの方や、見た目を最重要視なさる方もいますから、一概に思った通りにはできませんが、むし歯治療における最重要点だと私は考えます。機会があれば、一度お話会に参加なさいませんか?診察の前に考えが整理されると思いますよ。

宮原先生の
むし歯のキモチ 
vol.38

宮原歯科医院

院長 宮原 猛

 新年度になり、筑後地区に転居してこられた方も多いのではないでしょうか。こんにちは、宮原歯科医院です。当院は自由診療のみ行っております。歯科医院でよく保険適応でない治療メニューを目にしませんか?インプラント・歯列矯正・セラミックなどの審美治療などがそれにあたります。私の中でそれらは「自費治療」「保険外治療」という捉え方です。よく同義語として使われますが、私の目指す「自由診療」とはだいぶ違います。歯科治療のほとんどは、削る・詰める被せる・抜く・切るなど何かしら手を加えます。一度手を加えると元の自然な歯に戻せない処置なので「非可逆的処置」といわれます。「診療」とは診察や治療という意味ですから、これには歯に手を加えない「診察だけ」の意味も含まれるのです。つまり私の言う「自由診療」とは、歯の問題であっても歯に手を加えないこともあるということ。むしろ大事なのはそちらの方です。例えば、むし歯の最初の原因は甘いものでもむし歯菌でもありません。歯周病の最初の原因は歯周病菌や歯石ではありません。歯並びの問題は口の中の問題ではありません。つまり、口の中に原因がないものを、口の中をいじって治せるわけがないのです。長年にわたって、医院でのお話会や連続講座・依頼を受けての出張お話会・ZOOMを使ったオンラインお話会やオンライン診察などを行い、日本全国~海外からも大勢の方の歯や歯科治療についての悩みをお聞きしてきました。そこから一つ分かったことがあります。お悩みの方全員に共通なこと、それは「知らない」ということです。知らないから自信がないのです。自信がないからお任せの保険治療や自費治療を受け続けてきたのです。保険治療というのは、ケガや救急処置やお産などには適していますが、生活習慣からの慢性病や100人100様原因の違う病気の根本を解決はしないのです。あなたには他の人とは違うむし歯の原因があり、更に一本一本の歯に違う原因があり、その多くは口の中にはないのです。あなた自身がそれに気づくためのお手伝いこそが私の目指す「自由診療」なのです。興味がおありでしたら当院のHPやブログをぜひ覗いてみてくださいね。

宮原先生の
​むし歯のキモチ③

宮原歯科医院
​院長 宮原 猛

 こんにちは、久留米市の宮原歯科医院です。前回のコラムでの「歯にとって居心地のいい場所づくり」ということについて何件かお問合せいただきましたので、今月は歯列矯正についてもう少しお話いたします。一昔前の矯正と言えば、痛い・見た目が恥ずかしい・発音や食事が大変・・・そんなイメージが多かったと思います。「歯ならびだけ」を整えようとすると無理な力を加えなければならず、歯にとってみれば理不尽な圧や力を強いられていたわけです。最近の矯正は「歯並びは舌の使い方や顎の使い方から見直しましょう」という風潮に変わりつつあります。歯を取り巻く周りの環境を、歯が動きやすい状況に整えながらの矯正と考えてください。例えば、口呼吸がある・唇をかむ癖がある・姿勢が悪く下顎が不安定・舌の位置が良くない・・・などを改善するプログラムを矯正と同時に組んでいくのが最近の主流です。しかし私は最近のそれとはまた違う考え方です。口呼吸や舌の位置は、鼻や呼吸器系の問題です。呼吸器系の問題は、胸郭・横隔膜・肩甲骨や腹筋・腸腰筋以下下半身の使い方の結果です。もっと言えば、足の使い方・靴選びにも注目が必要です。子どもであれば、趣味は運動系か?室内系か?大人であればどういう職種でどういう幼少期を過ごしてきたのか?そこに注目すれば、もっと違ったプログラムが見えてきます。これから時代はますますIT化の方向に向かうと思います。子どもも大人も、24時間の内訳がますます変化していくでしょう。我々の骨格と臓器の働きは何万年も前からそれほど変わっていないというのに、生活様式はまるで昔と変わってしまった現代。経済成長の中、仕事や価値観・アイデンティティも星の数ほど多様化して、多民族間の交流も複雑になってきました。それぞれの歯の居心地のいい場所もまさに多様化しているのです。そんなことを大前提としたうえで、どういう価値観(美意識)で歯を動かそうとするのかをまず考えてみませんか?「話が大げさすぎる」って?でもそこを考えたうえでの矯正は無理がないんですよ。(当院はワイヤーでなくマウスピース矯正が主です)

宮原先生の
​むし歯のキモチ②

宮原歯科医院
​院長 宮原 猛

 こんにちは、久留米市の宮原歯科医院です。7月号のコラムで、当院の理念と、100%自由診療の理由を紹介いたしました。今回は少し具体的な処置方法についてご紹介します。例えば、むし歯が見つかったとき、通常であれば大きくなる前に早めに削って埋める(被せる)ことが多いと思います。当院では、むし歯の原因は身体全体にあると考えますので、その原因がはっきりご自身で理解できる前に埋めてしまうのはお勧めしていません。なぜなら身体のどこかにあるその原因は、むし歯以外の身体の不調の原因でもありますから、むし歯の原因を探るということは、身体全体の健康と直結しているのです。むし歯の穴が塞がっても体調がすぐれないのでは本来の健康とは程遠いものですよね?埋めるにしても、その人の噛み癖や習慣を考慮して材質を考えます。ほとんどの場合、セラミック治療はお勧めしていません。

 また最近は「無痛治療」をうたい文句に麻酔を多用する傾向がありますが、当院では麻酔は極力使いません。痛みは身体を守る大事な感覚の一つですから、眠らせて乱暴な治療をするのは優しくありません。時間をかけて丁寧に処置すれば、多くのむし歯処置は麻酔なしでもさほど痛くはありません。

 歯列矯正についてはワイヤーは使わずマウスピースが主です。どんな歯並びであっても、今の歯の位置は歯にとって最も居心地がいい場所なのです。無理やり移動させるのであれば、移動先が歯にとって居心地のいい場所にしてあげなければ、動きにくいし戻りやすいのです。居心地のいい場所づくり・・・それももちろん身体全体から考える必要があります。全身を考慮した矯正は、動きやすく・期間も早く・後戻りしにくいのです。まずは、対面やオンラインのお話会に参加なさいませんか?

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