
情報紙 SECOND
SECOND Column Page
輝く南阿蘇
ーダマスクローズ(バラ)開花
vol.88「南阿蘇にばらの花が咲きました」
写真家 長野 良市
熊本地震から来年は10年を迎える。悪夢の地震災害から時間は容赦ない。時間は復興とともに生活インフラは整備されてきた。でも人の心にこの時間は何をもたらしたのだろうか。少なくとも私は10年歳をとり人生の後半に突入した。
「SECOND」に被災地情報を掲載したのが2016年6月号。発生2か月後に「ゼロの阿蘇 vol.1」が始まり2023年9月号のvol.87まで8年にわたった。
その中の2022年7月号に「The Rose」を掲載している。「ゼロの阿蘇」から「輝く阿蘇」に変わり、被災地の希望を文字化したい私の気持ちが書かれている。
1979年アメリカ映画「ローズ」の主題歌をベット・ミドラーが歌い、この曲のメドレーとその歌詞が当時の私の心の支えになった。「愛、私は花だと言おう」「あなたはその唯一の種だ。人生の厳しさも、雪が積もった冬を経て、春、太陽の光を浴び、種はバラの花に結実する」。
地区の区長となった私は、70軒の家々に補助金で2種類のハーブ苗を配った。西洋ニンジンボク(チェストツリー)はハーブティになり、バラのダマスクローズを化粧水にするための努力を重ねてきた。世界に2万種以上あるバラの中で、ダマスクローズが「バラの女王」と言われるほどもっとも香りが高く、「阿蘇の大自然で育まれたバラの香りの地産化粧水」<ROBIN Edition>として実現。
熊本県内9市町村に建つ「ワンピース」の麦わら一味の仲間の像で南阿蘇村は、考古学者ニコ・ロビンが旧東海大学農学部跡地に立っている。パッケージに燦然と輝くロビン嬢の生命力あふれる笑顔が私の熊本復興プロジェクトを後押しした。

今年採取したダマスクローズ25㎏

ROBIN Edition 2,700円(税別)100ml