top of page
コラムページアイコン.jpg
​情報紙 SECOND

SECOND Column Page

ボスエリ日記 -うんこのお供-

Vol.28
cafe&BAR La Mer(ラ・メール)
iPhone 即日修理屋さん 久留米店
​店主 田中 英里

今週は10年ぶりくらいで飲みに来たオヤジと小競り合いした。やっぱり51才、更年期。元々お客さんから何言われても腹立たない性質だけど(友達じゃねーし)、モヤッとすること多くなったよね。

あたしが長々と店をやってるもんで優雅だの気楽だの言うもんでね。何わかった風に言ってんだよてね。

あたしが25年も店を続けているのはただただあたしの特性がそうさせているだけ。普通の経営者には向上心とか野心とかある

からね。基本稼ぎたいわけだし、お店がうまくいけば規模を広げたいし、支店出したいし。でもあたしはそんな大変そうなこと絶対したくない。なんとか暮らせればいいやと思っていたら儲かってないのに25年続けられただけ。

レザークラフトだってそう。6、7年やってて、一緒にはじめた人達は財布作ったり、バッグ作ったり、立派な皮職人になってるのにあたしはいまだにぼったくりキーホルダーしか作らない。ひたすらに内職みたいな作業ばかりしている。

向上心ゼロ!

卑下してるわけではないからね。あたしクラスになるとこの分野あたしに敵うやつおるんか?レベルなんよ。自信満々のクズ野郎なんよ(1番タチ悪い)。

向かいの店が当初はインスタでバズってたからすごい行列だったけど、もうすっかり寂しい感じになってる。やっぱりバズると飽きられるのも早いってことよ。

バズり知らずラメール!26年目!これからもバズらないことを誓います!シクヨロ!

ボスエリ日記 -うんこのお供-

Vol.27
cafe&BAR La Mer(ラ・メール)
iPhone 即日修理屋さん 久留米店
​店主 田中 英里

あたしには面倒くさい女友達がいて運転代行を使いたがらない。飲もうとしたらいつも僻地(自宅)まで車を置きに帰る。代行代出すと言っても聞かない。
友「なんであんな汚いおっさんに私の車を運転させんといけんのよ!」
エ「偏見だ!汚くないおっさんかもしれんじゃん!」
友「それは確実と言える?たいていヨレヨレよ。」
仕方ないので僻地へ。街までバスで行くと言う。ちなみにあたしは街に住んでいる。せめてあたしは街でおろせと言っても聞かない。頑固一徹。昨年夏のある日もこのコース。暑いのでタクシーで
行こうと言ってもバスで行くと言う。
友「タクシー代で1杯ずつ飲めるじゃん。節約節約!」
エ「暑い。溶ける。あたし純夜行性。バス来るまであと何分?
何秒?痛い。日差しが痛い!苦しい!死ぬ!」
小競り合いをしていたら一緒にバスを待っていた男性が声を
かけてくれた。
男「暑いので僕は今からタクシーを呼ぼうと思うんですが。一緒に乗って行きませんか?」
2「い、いいんですか?!」
別れ際に名刺を渡した。
エ「しょうもない飲み屋ですが、来てくれたらこのお礼は必ず!」
あれから半年過ぎた。彼はすっかりラメールの常連になった。
あの日あの時彼女があたしの言うことを聞いて代行を使って
たら会ってない。バス停で見苦しい小競り合いを続けていなければ彼の仏心は発動しない。
すべてがご縁だ。みんなに感謝。

ボスエリ日記 -うんこのお供-

Vol.26
cafe&BAR La Mer(ラ・メール)
iPhone 即日修理屋さん 久留米店
​店主 田中 英里

今度ラメールに好きな子を連れてくるのでアシストしてほしいという男がいた。それくらいたやすいが、この際楽しげな企画にしてみよう。飲みに来た常連に声をかけ、劇団員を募集した。
あたしの書いたシナリオを元に彼をラメールの常連達に愛されてるキャラに仕上げる。アホ企画に乗ってくれた2名。2人は彼を知らない。2人すら初対面。当日早めに来店した2人に設定を伝える。
エ「やまちゃん。○○才。職業○○。週に1、2回飲みに来る子。明るくてとてもいい子。2人はいつも(なんでやまちゃん彼女いないんだろう)と思ってる。いい?」
2人「了解!」
エ「本人には「やまちゃん!」と呼ぶ人物は劇団員だと伝えてある。」
彼が来た。
M子「やまちゃーん!ひさしぶり!」
や「お久しぶりでーす!」
Y男「なんかやまちゃん今日いつもよりカッコイイ!」
初対面だろY男!
エ「芸能人は誰が好き?」
彼女「赤楚衛二です。」
M子「なんか。やまちゃん似てる気がする!目の数とか、鼻の数とか同じだし!」
無理がありすぎるぞM子!

結局みんなで仲良しぶって和気藹々。アシストになったかどうかはわからないが、最後までばらすことなくやりきった劇団ラメール。やった感。

ボスエリ日記 -うんこのお供-

Vol.25
cafe&BAR La Mer(ラ・メール)
iPhone 即日修理屋さん 久留米店
​店主 田中 英里

たまたま早めに開けてた20時半すぎに予約もなしにひょっこり現れるじいさん。

「ここはiPhone修理屋さんですか?」

「そうですよ。」

「実は壊れてはないんですけど、容量がいっぱいみたいで。新しく中古を買ったんですが、データの移行ができなくて。してほしくて。」

「うちは修理屋なのでそういった作業はしてないんですが。まぁいいでしょう。」iPhone7。32G。写真も2000枚以上あって、無駄にアプリもありまくる。そりゃキツイでしょうよ。

「で、この新しい機種は何ですか?」

「7です。」

「えええ!まさかの同じやつ?!」

「慣れた機種の方がいいかなと。でも容量は64Gです。」

「お父さん!得意気ですが、せめて8とかSEシリーズでしょ!64Gって。時代はテラですよ。屁です。屁。」

とりあえず簡単に移行するにもiOSを最新にしなくてはならない。少し空き容量を作らないとアップデートもできない。これがまた結構時間のかかる作業。そうこうしているうちに普通にお客さんも来始めてラメールも動き始める。おい、じいさん。今日は土曜ですよ?こんなことしとる場合じゃないんですよ?

「ちなみにこの作業はおいくらかかりますか?」

「データ移行はうちの料金表にはありませんからね。3000円でいかが?」

「ありがとうございます。では今コーヒー頂いていますが、ここでお酒を頂くと、お店の売り上げになるということですか?」

「当然です。」

「ではビールにします。ついでにおねえさん忙しそうですが、1杯ご馳走することもできるんですか?」

「当然です!」

ようやく前機種のアップデートが終わって移そうとしたら今度は新しい7もアップデートしろという。確かにそうなるよね。のちのち師匠に聞いたら、そんな時間も手間もかかる作業5000円はもらっていいと言う話だった。でもまぁ飲み代込みで6000円払って行ったのでよしとしよう。

「本当にありがとうございました。今度友達連れて飲みに来ます。」

「体に悪いのでお酒はやめましょう。」

「ハハハ!」

結局3時間くらいいたけど修理はしてない。どういう話だ!

ボスエリ日記 -うんこのお供-

Vol.24
cafe&BAR La Mer(ラ・メール)
iPhone 即日修理屋さん 久留米店
​店主 田中 英里

新年あけましておめでとうございます。2025年はどんな年になるのやら。人間というのは自分探しの道というか、模索し続ける生き物だと思う。振り返る。小学校の頃は警官になりたいと思っていた。(悪いやつをやっつけたい)という思いだったが、なんとか法に触れないギリギリのところで生きる社会不適合者になるとは思ってもいなかった。中学校から高校にかけては学校の先生になりたいと思っていた。未来ある若者を導くって尊いと思っていたけど、これまた昼夜逆転の飲んだくれ51歳になるとは思ってなかった。短大の頃は放送作家というか、構成作家というか、物を書いたりドラマを作ったりするのが好きだったのでそういう仕事が向いてるのではと思ったが、その方向にいくには勉強が足りなかった。せめてちゃんとした大学に行けばよかった。社会に出て実はものづくりが好きなので、普通の仕事より後継者いなくて大変な伝統職人とかの道をいろいろ調べていたが、行動を起こすまでの情熱が足りなかった。いろんな仕事をした結果、人が好きで、お酒が好きで、しょうもない話が好きで、飲み屋をはじめたら25年経った。1番続いた。しかしここにきて修理業が好きなことにも気付く。酔っ払いに「ブスブス」言われて偉そうにされるより、困った人を助けられて感謝されることがすごく嬉しい。気持ちがいい。やりがいがある。結果現在あたしに向いているのはエンジニア(機械工)ではないかに着地している。51才、いろいろやりたいことが変わったおかげで、お酒がわりと飲めて、iPhoneが直せて、ウグイス嬢もできて、コラムの連載もさせてもらえて、皮職人もできるおしゃべりクソババアBARの店主ができている。この先もまだ変わることもあるだろう。突然突拍子もないこと言い出しても応援してね。人生は未知数。

  • Black Facebook Icon
  • Black Instagram Icon
  • ブラックInstagramのアイコン
©︎freepaper_second
顧問弁護士:ことまる法律事務所
bottom of page