top of page
��コラムページアイコン.jpg
​情報紙 SECOND

SECOND Column Page

​神主四方山話

Vol.19

​久留米宗杜 日吉神社

禰宜  久富 貴文

新年あけましておめでとうございます。初詣された方も初詣がまだの方もご参考にしていただけると幸いです。

・お参りすべき神社は?

〇まずは近所の神社にお参りください。普段は神主さんが

いらっしゃらない神社もあるかもしれませんが、一番身近に

お守りされる神様です。〇「地名」を冠する神社。その地域の方々をお守りされる神様です。

〇代々ご縁がある神社。ご先祖様がお参りされていた神社や以前に住んでいた場所の神様です。

・おみくじについて

 おみくじを引く時は、神様におたずねしたいことを具体的にイメージしながら引いていただくといいと思います。吉凶は引いた時の運勢ですので、吉凶よりも内容を重視して運勢が良くなるよう心掛けていただくといいと思います。

・お賽銭はいくら入れたらいい?

 ご神前にて手を合わせ神様にお願いごとをする時、或いは感謝の気持ちを表す際に「神様に捧げるお供え物」とされるのがお賽銭。お賽銭はお気持ちで入れていただいていいと思います。

 

皆様がこころ穏やかで日々ご健康でありますようお祈りしております。

​神主四方山話

Vol.18

​久留米宗杜 日吉神社

禰宜  久富 貴文

年末年始の『おたきあげ』の話。その年にお世話になった御札・御守や神社の破魔矢や福よせ等をお祓いした後、そこにお宿りくださった神様の力に感謝の祝詞を奏上し、お清めした火にくべます。おたきあげ出来るものは神社から発行したものに限るのですが、中には知らずに仏教の御守を持ってこられる方も。仏様はお帰りになられる場所が違いますので、神社ではなく必ずお寺にご持参くださいね。よもやま、ある年の年末に夜も遅くお掃除していました。ふと今年は〇を水洗いさせていただこうと思いました。(※ご神体ではありません)ほどなくして、「・・・・ジッ・・ジジ・・」なにか音が聞こえました。その音はだんだん大きくなりました。心地よくお正月をお迎えしていただこうと思い水に濡らしたのですが、水厳禁だったのかな?しかし、なんだか途中でやめてはいけない気がしたので、次の〇を水洗いさせていただいていると「・・・———ン」また音がしてきました。先程とはまったく違う音。「ワワオォ———ン」音というより鳴き声に聞こえます。やっぱり水厳禁だった?封印といた??「ワッオ————ン」はっきりとした鳴き声。ああ、どうかお鎮まりください。お正月を迎えるにあたり、より清浄にと水垢離いたしました。どうかお鎮まりください。手を合わせながらお祈りしました。翌日、宮司さんに報告すると、それは縁起が良かったね。きっと何十年もしくは百年ぶりくらいに水を浴びられて喜ばれているかもしれないね、と。大掃除で疲れていましたが、それを聞いて嬉しくなったのを覚えています。

 

今年最後の寄稿になりました。どうか皆様良いお正月をお迎えください。

​神主四方山話

Vol.17
​久留米宗杜 日吉神社
禰宜  久富 貴文

11月11日は日吉神社例大祭がおこなわれます。(古くは11月の上卯の日におこなわれていました。)この日、神職は正服といわれる衣冠装束に身をつつみます。「光る君へ」に登場する装束です。神職身分により着装する袍(ほう)の色が異なります。宮司さんは黒袍、私は宮司さんのおさがりの赤袍を着ています。袍の着装は着る人と衣紋者という装束を着せる人により成り立ち、前衣紋者と後衣紋者のお二人がかりで着装にあたられます。衣紋道には高倉家と山科家の流派があり、学生の頃に衣紋者の流派の違いの一部を見せていただきました。私が印象に残っているのは音でした。帯を結ぶ時や袖を仕上げる時の音の違い。衣紋者の方の手さばきは優雅であり力強くも感じました。よもやま、「光る君へ」つながりで【この御子三つになりたまふ年、御袴着のこと一の宮のたてまつりしに劣らず、内蔵寮、納殿の物を尽くして、いみじうせさせたまふ】(一の宮さまのお祝いの時にも劣らず光源氏の時には盛大にお祝いした)、紫式部が著した源氏物語で七五三について書かれた一節。源氏物語の中に書かれた宮中の儀礼は、やがて武家の教養となり、七五三のお祝いも全国的に広まっていったそう。11月は七五三の可愛い子供たちで境内が賑わいます。

 

では皆様日々お健やかにおすごしくださいませ。

​神主四方山話

Vol.16

​久留米宗杜 日吉神社
禰宜  久富 貴文

神主として一度は疑問に感じたこと。或いは10月によく耳にする質問に「神無月(かんなづき)になると全国の神様方が出雲大社様にお集まりになられる。だから10月になると神社には神様って不在なんでしょ?」と。このことに関して私は次のように思います。嘗て筑後國といわれた筑後地域には一の宮高良大社様が御鎮座されます。毎年ではないものの10月には神幸祭がおこなわれ神事には九州の豪族が集われていました。高良の神様の御神輿にはお供の方々が後尾も見えないほどの列をつくられる。10月にこれほどの祭りが筑後地域でおこなわれていたのですから、筑後地域の神様方も共にこの神事をお慶びになられていたのではと思うんです。つまり筑後地域は神様方が不在になられない神在月(かみありづき)であると私は考えています。しかし、神様方のはかりしれない世界のこと、筑後の神様方も10月の出雲大社様には御分霊(わけみたま)の神様方が参加されているとも思います。よもやま、子どもたちに神主さんの作法を体験していただきました。子どもたちに笏を持つことや狩衣(かりぎぬ)の由来の話、狩衣の着装なども、「作法は漫然と動作しない」を心掛けてはいますが、私自身も教えることで日頃の作法の復習にもなりました。

 

では皆様日々お健やかにおすごしくださいませ。

​神主四方山話

Vol.15

​久留米宗杜 日吉神社
禰宜  久富 貴文

9月とはいえ暑い日は暑い。これを書きながら「9月とはいえ」に、ちょっと待てよと自問自答しています。『暦の上では立秋を過ぎたとはいえ、まだまだ暑いですね』とか、毎年暑いのはわかっているのだから「とはいえ」を使用するのはどうなんだろうかと。一雨ごとに日に日に過ごしやすくなり秋を涼しいと感じていた世代にとっては「とはいえ」は使用できますが、若い世代にとっては「秋は暑いよね」となるのでしょうか。とはいえ、夜が長くなり虫の鳴き声を聞くとやはり涼しさを感じます。よもやま、秋の夜長、学生の頃ラジオを聴いていた時に始めて耳にするかっこいい曲、終わる頃にパーソナリティが曲名をもう一度紹介してくれます。急いで曲名をノートに書き写してはみるのですが、結局誤字で曲名がわからない。インターネットのない時代は、かっこいい曲も一期一会でした。よもやま、今月は中秋の名月。城島町の青木天満宮さまでは中秋祭が行われます。日吉神社でも境内社の月読宮さまにお月見団子をお供えします。また来月のことにはなりますが、月神さまとも云われる高良大社さまを始め多くの神社で旧暦の9月9日頃は「おくんち」という秋の祭が行われています。おくんちの名前の由来は9日(くんち)の祭だからというのが一般的説。高良大社さまの御出現の日は旧暦9月13日の十三夜だそうです。秋の夜長はお月様を通して神様にお願い事をされてみるのもいいかもしれませんね。

 

では皆様日々お健やかにおすごしくださいませ。

bottom of page